(2)セファロ写真計測
 今日までに,世界中で実に多くのセファロ写真計測法が提唱されている.しかしそれらはすべて頭蓋顔面構造の形態的特徴とその成長による変化を,二次元平面上に投影されたレントゲン画像の上で,解剖学的あるいは人類学的に定義された計測点や幾何学的につくられた計測点を用いて,理解しようとする試みであるといえる.これは2点間の距離と3点のなす角度を計測することによって行われる.どの計測法を用いるかは,歯科医師により,診療所により,また国によっても大いに異なる.
 そこでハイパーリンク矯正歯科臨床では,学習者が困惑することのないように,基本的な計測点,基準平面,そしてよく使われる計測変量(距離と角度)といくつかの広く用いられている分析法に重点をおいて,解説する.この教材で解説する分析法と学習者が将来,出会うであろう分析法とは異なるかもしれないが,本教材は分析方法の優劣について論じているのではないことをここに記しておく.個々の解析方法の意義や解釈の方法についての詳細は他の標準教科書に譲る.

1)計測点
 左右両側に同定される計測点,輪郭線については,両側の中点あるいは中線を採用する.

2)基準平面

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